アレルギー性鼻炎・花粉症・蓄膿症の治療|サザンクリニック耳鼻咽喉科(湘南・茅ケ崎)
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鼻の病気 鼻は、呼吸をしたりにおいを感じたりするだけではなく、湿度の調節や異物(細菌やほこり)の進入を防ぐなど、人間の健康にとって大切な働きをする場所です。鼻の病気についてよく知り、異常を感じたら早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
鼻のはたらき体を守る「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」人間は基本的に鼻で呼吸をおこなうようにできています。鼻から空気を取り入れて呼吸をしますが、もし空気中に体に良くないもの(異物)が混じっていたらどうでしょう? そんなときに、鼻の防御反応がはたらきます。 鼻はばい菌などの異物を感じると、まず「くしゃみ」で異物を吹き飛ばします。「鼻水」と一緒に異物を洗い流し、体内に異物を粘膜に炎症を起こして鼻をつまらせます。このように鼻は防御機能を備えており、くしゃみ・鼻水・鼻づまりは、人間の体を守るための大切な防御反応なのです。 鼻水はばい菌の培養液?!鼻水は体液=栄養液ですから、ばい菌が繁殖するのに必要な栄養を充分に含んだ「培養液」ということになります。防御反応のひとつとして体を守っているけれど、同時にばい菌を育てているのです。 例えば蓄膿症の原因菌は「嫌気性菌」といって空気がない状態で活動が活発になる菌なので、鼻がつまって空気が通らない状態で栄養液がたくさんあると、どんどん菌が増えて鼻の中にたまって症状が悪化しまうのは当然です。 ですから、鼻の治療の基本は、鼻を通して換気をよくし、ばい菌が繁殖しにくい環境をつくることだと考えています。 鼻につめ物をするのはNG?鼻炎の鼻水がうっとうしくて、ティシューなどを鼻につめたことはありませんか? じつは鼻の穴をふさいでしまうのは、体にとって良くないことなのです。 まず、鼻呼吸ができなくなることで低酸素状態になります。アメリカで実際に20〜30人の学生を使って、鼻に綿球をつめて寝てもらうという実験をおこなったことがありますが、2人くらいが睡眠時無呼吸症候群になり、結構な人数がいびきをかくようになりました。 また、鼻がつまった状態が継続されることになりますので、細菌が繁殖して副鼻腔炎を発症することもあります。人間にとって鼻呼吸は、自覚しているよりもずっと大切なことなのです。 鼻はにぶい?
人間の鼻は意外とにぶいもので、少しくらい鼻がつまっていても口呼吸で補ってしまうので、自覚症状がないことがしばしばあります。特に小さな子どもの花粉症は、鼻が腫れて鼻腔が完全にふさがってしまっているような場合でも、鼻づまりの自覚症状がないことが多いです。 ぜひ、お家の方が気をつけて見ていてあげてください。 鼻炎(急性鼻炎、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎・鼻アレルギー)鼻炎とは急性鼻炎とはばい菌感染などの刺激によっておこる一過性の症状で、鼻の粘膜が慢性的に腫れている(肥厚している)状態になると慢性鼻炎といいます。急性鼻炎と慢性鼻炎の一番大きな違いは、急性鼻炎はかぜのように一過性のものですのでいずれ治まりますが、慢性鼻炎は症状が治まることがないことです。 花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)は、刺激物に対するアレルギー反応によっておこる鼻炎で、季節性のものと通年性のものがあります。 鼻炎の治療鼻炎の主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりです。これらはばい菌や刺激物に対する防御反応(アレルギー反応)なので、抗アレルギー剤やネブライザー療法(管を通して霧状に噴射される薬を鼻から吸入する療法)で症状を改善します。 急性鼻炎の場合は、一般的なかぜ薬も用います。慢性鼻炎や、花粉症などのアレルギー性鼻炎など慢性的な鼻炎には、レーザー治療のような手術的処置が効果的な場合もあります。 点鼻薬を使いすぎないで!
鼻がつまると不快になりますので、つい市販の点鼻薬を多用しがちになりますが、血管収縮剤が入っている点鼻薬を使いすぎると、逆に鼻がつまってしまうことがあります。 点鼻薬は薬で神経を刺激し、血管を収縮させて鼻のつまりを抑えるのですが、常用すると慢性的に刺激されていることになりますので、反応がマヒしてしまうのです。その結果、「肥厚性鼻炎」という、逆に鼻の下鼻甲介という部分が腫れっぱなしになる慢性鼻炎を発症することになります。肥厚性鼻炎には、点鼻薬は効きません。 当耳鼻咽喉科でも症状がひどいときには点鼻薬を処方することがありますが、レーザー治療などで肥厚(鼻のつまり)を取る治療をおこなって、内服薬や点鼻薬など薬の使用を減らしたほうが、患者さんの体の負担が少ないのでは?と考えています。 副鼻腔炎(急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎・蓄膿症)、鼻茸副鼻腔炎とは 鼻腔の周りには、上顎洞(じょうがくどう・頬骨の内側)などの副鼻腔があります。細菌感染で副鼻腔の粘膜に炎症が起こった状態が、副鼻腔炎です。副鼻腔炎を発症すると、膿性の鼻水が出るようになります。
また、鼻腔と副鼻腔は「自然口」と呼ばれる小さな穴でつながっており、正常な状態では自然口を通して副鼻腔内の換気がおこなわれています。自然口付近の粘膜が炎症を起こすと穴がふさがり、副鼻腔内の膿が鼻腔から排出されずにたまってしまいます。この状態を慢性副鼻腔炎(蓄膿症)といい、激しい頭痛をともなうようになります。 鼻づまりが必ず慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に移行するというわけではありませんが、鼻づまりが長引く・膿性の鼻水が認められるなど、気になることがあれば耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。 副鼻腔炎の治療 副鼻腔炎は、副鼻腔にたまっている膿(鼻水)を吸引して取り除く治療をおこないます。鼻水から原因菌を調べて抗生剤を処方し、消炎鎮痛剤の投与で粘膜の炎症を抑えます。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の場合は、昔は副鼻腔内の粘膜を除去する手術をおこなっていましたが、最近では内視鏡を使って自然口を広げる手術がおこなえるようになりました。一部悪いところがあるなら粘膜を根こそぎ除去してしまえば良いという考えから、悪くなる原因を取り除いて自然に治癒させようという考え方に移行した治療法で、鼻腔と副鼻腔の連絡穴を広くすることで換気をよくし、膿が副鼻腔内にたまらないようにする手術です。 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)から鼻茸(はなたけ)へ 鼻腔の粘膜が腫れ、茸のようなポリープ状になったものを鼻茸(はなたけ)と言います。慢性副鼻腔炎(蓄膿症)によって刺激された鼻の粘膜自体が変化したものですので、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が完治すれば鼻茸も治ります。
子どもの頭痛は要注意 子どもの頭痛はさまざまな病気から起こりますが、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)など鼻から起こるケースも多く見られます。子どもが頭痛を訴えたら、鼻水や鼻づまりを併発していないか注意してみてください。口呼吸をおこなっているようであれば、耳鼻咽喉科にご相談ください。
虫歯で蓄膿症になる?
副鼻腔のひとつである上顎洞は、第一大臼歯や第二大臼歯と繋がっているので、これらの歯に炎症が起こったりすると歯性上顎洞炎という副鼻腔炎(蓄膿症)を引き起こすことがあります。奥歯の虫歯を長く放っておくと蓄膿症を発症するというのは、さほど珍しいケースではないようです。 虫歯も、鼻も、早めの治療をおすすめします。 鼻と関係の深い症状咽頭炎 実は咽喉の症状のほとんどが、鼻の症状の影響を受けています。たとえば花粉症などで鼻がつまると口呼吸に頼りますので、咽喉が乾燥して咽頭炎を併発することがよくあります。咽喉の症状が出たときは、加湿器などで咽喉を守るのも良いですが、耳鼻咽喉科で鼻の症状を改善してもらうと効果的な場合があります。
いびき・睡眠時無呼吸症候群 鼻がつまると、睡眠時に口を開けることになります。口が開いていると気道が細くなって睡眠時の呼吸を阻害し、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となります。睡眠時無呼吸症候群は、昨今ではウツの原因のひとつにもあげられていますので、鼻づまりが長く続くようであれば、耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
低酸素状態・ホルモンバランスの崩れ 睡眠中の鼻づまりで最も恐ろしいのは、呼吸をしにくくなって、寝ている間じゅう体が慢性的な低酸素状態になってしまうことです。酸素不足になると、神経の働きが鈍くなってホルモンバランスが崩れ、血圧や血糖値のコントロールができなくなったりもします。鼻の症状が、生命の維持機能にも影響することがあるのです。
虫歯 子どもの前歯が虫歯になったので歯科に行ったら、「虫歯になったのは鼻が悪いから」と言われることがあります。鼻が悪い(鼻がつまっている)と口を開ける⇒口が乾燥する⇒唾液の中のアミラーゼが減少して、雑菌が増える⇒虫歯になりやすくなったり、口臭の原因になったりする・・・というわけです。
もちろん虫歯の直接的な原因ではありませんが、鼻の症状を放置していると、口腔内の健康のリスクも高くなってしまうことがあるようです。 あごの発育不良 また歯のお話になりますが、矯正歯科治療をおこなう際に鼻がつまっていると、治療がうまくいかないことがあるそうです。人間は眠っている間に、舌が上あごにくっついて上あごの発育を促進しているのですが、口を開いたまま眠っていると、刺激作用が減少して上あごの発育が悪くなり、歯並びに影響することがあるからです。
矯正歯科治療と平行して、耳鼻咽喉科へ鼻の治療に通うケースもあるようです。 |
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