のどの痛み・咽喉の炎症・扁桃炎の治療|サザンクリニック耳鼻咽喉科(湘南・茅ケ崎)
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咽喉(のど)の病気

咽喉の調子が悪くなったとき、耳鼻咽喉科と内科のどちらにかかれば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか? 痛みや咳などの咽喉の症状は、鼻の症状と関係していることがよくあります。咽喉の調子が悪いな、と感じたら、咽喉と鼻の専門家である耳鼻咽喉科の医師にご相談ください。

咽喉のはたらき

咽喉のしくみ

咽喉は、噛んだり味わったりするための「口腔」、細菌に対する抵抗力(免疫作用)に関わる「咽頭」、声を出すのに必要な声帯を含み、食べ物と呼吸の振り分けをする「喉頭」からできています。気管や食道の上部も耳鼻咽喉科の診療範囲になりますが、おおまかにはこのように分類します。

咽喉が痛くなったら?

咽喉が痛くなったからといって、すぐに何でも耳鼻咽喉科にかかる必要はありませんが、何日も痛みが続いたり、炎症を何度も繰り返したりするようであれば、医師に相談することをおすすめします。「熱がある」「飲み込みが悪い」「痛みがある」「症状を繰り返す」というバイタルサインは、いずれも何か“原因”があって起こることだからです。
  咽喉の炎症や咳、痛みは、放っておいても自然に治ることもありますが、がまんをしすぎて呼吸困難に陥って死に至ったようなケースもまれにあります。若い方は“がまん”できてしまうので、体のバイタルサインを見逃さないことも大切です。

咽喉と鼻の関係

咽喉と鼻はつながっていますので、鼻の症状が原因で咽喉の症状を併発することがあります。
  鼻がつまって口呼吸をすることが多くなると、咽頭炎を起こしやすくなります(お年寄りの場合は、咽喉の筋力が弱まって口を閉じる機能が鈍くなりますので、鼻がつまっていなくても口を開けて寝ていることが多く、やはり咽頭炎を起こしがちです)。
また、副鼻腔炎の鼻水が咽喉に流れることで気管支炎を併発するケースもあります(副鼻腔気管支炎)。
かぜ薬や咳止めを続けて飲んでいても効果がないときは、耳鼻咽喉科を受診されてみてはいかがでしょうか?

花粉症? 喘息?

喘息は耳鼻咽喉科の対象となる症状ではありませんが、花粉症の時期に症状が強くなることがあります。調べてみると、喘息の人の鼻の粘膜に炎症が認められることはよくありますし、逆に花粉症の人が喘息になることも少なくありません。
鼻と咽喉はつながったひとつの器官なので、それぞれの症状に対して無関係ということはなく、鼻の調子が悪いときに喘息になってしまうということは、以前からよくありました。鼻の炎症が咽喉に波及して、喘息の症状を起こしてしまうのです(咳喘息といいます。咳喘息は本当の喘息ではありませんが、3割くらいの人が喘息に移行してしまうようです)。


咳がひどくて耳鼻咽喉科と内科のどちらに行くべきか迷ったとき、もし花粉症の自覚があるのであれば、まずは耳鼻咽喉科に相談されることをおすすめします。

咽頭炎

咽頭炎の原因と症状

咽頭炎はかぜ症候群のひとつで、主にウィルス感染によって咽頭(のどの入り口付近)が炎症を起こす疾患です。主な症状はのどの痛みなどですが、急性鼻炎や急性扁桃炎を併発することもあります。かぜなどによって起こるのは急性咽頭炎ですが、急性咽頭炎が長期化したり、飲酒や喫煙で慢性的にのどが刺激されたりすることで、慢性咽頭炎を引き起こすこともあります。
激しい痛みや発熱を伴うときは、すみやかに耳鼻咽喉科を受診してください。

咽頭炎の治療

ウィルスが原因の場合は、消炎鎮痛剤を処方して痛みや炎症を抑えながら、体の免疫作用で自然に治していく方法を取ります。細菌が原因の場合は、抗生物質を処方して治療します。

カブトムシはインチキです?!

扁桃炎や咽頭炎の原因菌のひとつに溶連菌というのがありますが、溶連菌が常在菌(体の一部として友達になる菌)化することがあります。抗生剤をいくら飲んでも常在菌化した溶連菌は死にませんし、原則として共生関係にある人間に悪さをすることもありません。
もちろん全ての人が溶連菌を常在菌化することができるわけではありませんが、一般的に「ばい菌」と認識されているもの全てが人間の体内で繁殖して悪さをするわけではないようです。人間は、ある年齢までに「友達となる菌」を選ぶようにできているのではないでしょうか?


例えば、昔の人は地べたに落ちている雑菌だらけの食物を食べても平気だったわけですから、「清潔」「不潔」の概念はとても不確定なものであるような気がします。逆に、昔は「ばい菌を運び、疫病感染の原因」と言われたゴキブリの「不潔」の度合いは、昨今ではカブトムシと大差ないように思います。
にも関わらず、長年の習慣でゴキブリを「汚い」「危険」と決めつけるのはいかがなものか? カブトムシをありがたがるのはインチキではないのか?


溶連菌の常在菌化を思うたび、ついそんなことを考えてしまいます。

扁桃

扁桃のはたらき

扁桃とはリンパ組織を主体とする器官で、細菌やウィルスなどの異物(病原菌)を殺す免疫作用を司っています。以前は「扁桃腺」と呼ばれていました。場所によって口蓋扁桃(のどの両側)、舌根扁桃(舌の根元)、咽頭扁桃(のどちんこの裏側)、耳管扁桃(耳)と呼ばれます。

扁桃炎

扁桃とは一般的には口蓋垂(のどちんこ)の両脇にある口蓋扁桃を指し、口蓋扁桃が細菌感染によって炎症を起こすことを急性扁桃炎といいます。主な症状は、扁桃が赤く腫れる・痛みを伴うなどで、膿を持ったり発熱することもあります。
急性扁桃炎はインフルエンザ菌などで引き起こされますが、頻繁に炎症を繰り返す場合は慢性扁桃炎となります。また重症化すると口蓋扁桃の周囲に広がり、扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍を併発することもありますので、長引くようであれば耳鼻咽喉科を受診してください。

アデノイド肥大(咽頭扁桃肥大)

鼻の奥にある扁桃をアデノイド(咽頭扁桃)と言います。母体免疫がなくなる3〜4才頃から、本人の免疫機能が活性化する症状のひとつとして扁桃が大きくなり、自己免疫力がつく12〜3才頃に小さくなります。最もピークとなる4〜5才頃に、子どもによっては、大きくなったアデノイドが鼻を塞いでしまうことがあります。
扁桃は免疫に関係するリンパ組織ですので、アデノイドが大きくなること自体は問題ではありませんが、鼻腔と咽頭の間が閉塞されて鼻づまりやいびきが生じたり、睡眠時無呼吸症候群、滲出性中耳炎などの原因となると治療が必要です。

アデノイド肥大は、子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因として知られています。いつも口をあけている、鼻づまりやいびきがひどいなど、気になる症状が現れたら耳鼻咽喉科にご相談ください。

取る? 取らない? 扁桃

患者さんからよく「扁桃は取ってしまったほうがいいの?」と質問されます。確かに昔は、比較的安易に扁桃の摘出手術をおこなっていました。取ってしまうのが最適な治療だとされていたからです。
近年でも摘出手術はおこないますが、扁桃が頻繁に炎症を繰り返したり、炎症が起こった状態が続いてリンパ組織としての役目を果たさなくなるなど、扁桃を残しておくことが患者さんにとってマイナスになると判断した場合だけです。


扁桃は、病原菌の侵入を防いで体を守ってくれる“門番”です。サザンクリニック耳鼻咽喉科でも、「できるだけ残す治療」をおこなっています。不安を感じたときにはお気軽にご相談ください。

喉頭

喉頭炎

喉頭は気管の一番上にあり、声を出すために必要な「声帯」を含んでいます。喉頭が炎症を起こすと、声枯れや咳、のどの痛みや呼吸困難、発熱などの症状が現れます。大きな声を出すなど声を使いすぎたり、飲酒や喫煙などの刺激が原因となって起こる場合があります。
  喉頭の一部で、気管に食べ物が入らないようにフタをする役目を担っている部分(喉頭蓋)が炎症を起こして腫れることを喉頭蓋炎といいますが、重篤化すると気管をふさいで窒息に至ってしまう危険性がありますので、早い段階で耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

声帯ポリープ

喉頭にある声帯という器官が震えることで、声がでます。きれいに声を出すためには、声帯がきちんと閉じる必要があるのですが、ポリープ(突起物)ができると声帯がきれいに閉じず、声のかすれがおこります。
声帯ポリープは、声帯粘膜の炎症から発生するといわれています。炎症を起こすと声が出にくくなり、出にくいからといって無理に声を出すと、ますます炎症が悪化してポリープ化してしまうようです。


保母さんやコールセンター勤務の方など、咽喉を使う仕事に従事している人がかかりやすいのですが、鼻の症状(鼻づまりなど)が影響しているケースもあるようです。声のかすれや咽喉の違和感が長く続くようなら、耳鼻咽喉科で診断を受けてください。


味覚障害

味覚障害と一口に言っても症状はさまざまで、味を全く感じない、味を感じにくい、特定の味がわからない、他の味に感じる、など程度によっていくつかに分類されています。
また味覚障害の原因のひとつに「亜鉛不足」が知られていますが、遺伝性・伝導路障害によるもの・薬剤性・心因性など、さまざまな原因があげられます。亜鉛を含んだ食品(牡蠣やホウレンソウ)を摂取することで改善されることもありますが、原因が他にある場合には効果的とは言えません。独断せずに、耳鼻咽喉科の医師にご相談ください。

“がん”の話

喉頭がん、咽頭がん、舌がんなどの口の中や咽喉のがんは、耳鼻咽喉科の守備範囲内です。がんは、人間の体の中の正常な細胞が変化してできるものです。


工場で物を100万個作ると、不良品がいくつか出ます。工場内のチェック機能が正常だと不良品を取り除いて廃棄しますが、老朽化などで機能が低下すると見落としが生じ、100万個のうち1個くらいは不良品が混じって出荷されることになります。
これを人間の体に置き換えると、“物”というのは細胞になります。何らかの理由で傷ついたり壊れたりした細胞が“不良品”で、免疫機能のチェックもれで残ってしまった“不良品”が“がん”になってしまうと考えてください。


人為的に細胞を傷つけたり壊したりして“不良品”が増えれば、見逃される“不良品”も多くなります。細胞を傷つけるものを日常的に口から取り入れている人(喫煙者など)が口の中や咽喉のがんにかかりやすいのは、こういった理由なのです。

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